仕事におけるコミュニケーションの種類と手段は?
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事において他者とのコミュニケーションは欠かせません。
ここでは仕事におけるコミュニケーションの種類とその特徴についてまとめます。
仕事におけるコミュニケーションの種類
仕事におけるコミュニケーションを分類すると以下のようなものがあるでしょう。
- 情報伝達 - 例: 依頼,報告,説明,共有
- 意思決定 - 例: 承認,許可,協議,批判,改善,却下
- 発 想 - 例: アイデア出し,アイデアの分類,アイデアの選定
- 問題解決 - 例: 分析,解決検討
- 成長支援 - 例: ティーチング,コーチング,メンタリング,ペアワーク,モブワーク
- 心理ケア - 例: 相談,メンタリング,モチベート
- 関係構築 - 例: 挨拶,感謝,承認,称賛,雑談,相互理解
それぞれは別の要素ではありますが、関わり合いもあります。
例えば、関係構築を経て良好な関係を作ると、その他のほとんどのコミュニケーションに好影響があります。
仕事におけるコミュニケーションの手段ごとの特徴
典型的なコミュニケーション手段として4例を挙げます
- テキストによる非同期のチャットコミュニケーション
- テキストによる非同期の情報のストック
- 同期によるオンラインの会話
- 同期による対面の会話
テキストによる非同期のチャットコミュニケーション
テキストによる非同期のチャットコミュニケーションは
- 情報がテキストとして残るが、繰り返しの活用には向かない
- 口頭で曖昧に済ませていた部分を明確にせざるを得なくなる
- 即答する必要がなく、非同期でやりとりできる
という利点があります。
一方で、口頭に比べると表情や声色から伝わっていた感情に関わる情報が欠けやすくなります。
絵文字や文章の組み立てによって、このあたりの不足を補うことが上手い人もいれば、苦手な人もいます。
また、感情に関わる情報が欠けていた場合に、過度に悲観的な推測で不満・不安をふくらませる人もいれば、楽観的な推測が基本で特に不満・不安をいただかない人もいます。
コミュニケーションの種類としては
- 単純な情報の伝達
- 難易度の低い意思決定
- 難易度の低い問題解決
などの手段として有効です。
発想や関係構築などについてはチャットでも可能なものの、他の同期的な手段の方が有効になりやすいでしょう。
テキストによる非同期の情報のストック
テキストによる非同期の情報のストックは
- 情報がテキストとして残り、繰り返し活用しやすい
- 口頭で曖昧に済ませていた部分を明確にせざるを得なくなる
- 急がず非同期でストックされた内容を確認できる
という利点があります。
欠点に関して、感情に関わる情報が欠けやすいのはチャットと同様です。
有効なコミュニケーションの種類については概ねチャットと同様です。
同期によるオンラインの会話
同期によるオンラインの会話は
- 会話の往復が頻繁に必要な場面に適している
- 連続した時間で一気にやりとりを完了させやすい
- 声色が伝わることで感情が伝わりやすい
- カメラがオンの場合はノンバーバルな情報が伝わりやすい
という利点があります。
なお、テキストの利点はリアルタイム議事録を用いることで共存させることが可能です。
一方、同期での実施時間を確保する必要があります。
コミュニケーションの種類としては
- 複雑な情報の伝達
- 難易度の高い意思決定
- 難易度の高い問題解決
- 発想
- 成長支援
- 心理ケア
- 関係構築
などの手段として有効です。
同期による対面の会話
同期による対面の会話は
- 会話の往復が頻繁に必要な場面に適している
- 連続した時間で一気にやりとりを完了させやすい
- 声色が伝わることで感情が伝わりやすい
- 同期でのオンライン会話よりもさらにノンバーバルな情報が伝わりやすい
という利点があります。
一方、同期・対面での実施時間を確保する必要があります。
有効なコミュニケーションの種類については概ね「同期によるオンラインの会話」と同様です。
心理ケアや関係構築に関しては、オンラインの会話よりもさらに親密になりやすいでしょう。ただ、このあたりは個人特性によるところがあるため、対面だとより親近感を感じやすい人もいれば、オンラインでも問題ない人もいるでしょう。
なお、同期ですぐ声をかけることができる状態自体が個別のコミュニケーション種類に限らず「コミュニケーションのハードルを下げやすい」という側面があります。結果として全体のコミュニケーション量を増やしやすい側面があるでしょう。
逆に、オンラインでコミュニケーションのハードルを下げておくためには、関係構築からはじまり意識的な仕掛けが必要になるでしょう。例えば以下のようなものです
- 部門、チームとして「仲間を助けること」を共通認識にすること
- 入社からの流れでチームメンバー全体の関係性が良好になっていくようなコミュニケーション機会が用意されていること
- 相互の自己紹介タイム
- 定期的な雑談機械
- リリースなど大きなタイミングでお互いをねぎらったり、喜びを分かち合う機会
- 毎日必ず誰かとのコミュニケーションが一定以上発生するようなコミュニケーション機会の設計
- 気兼ねなくやりとりできる経路が用意されていること。また、それらの経路が実際に役割を果たしていること
- 何でも質問できるオンライン上の場所
- いつでも同期で雑談できるオンライン上の場所
コミュニケーションの練度と個人差
各コミュニケーションの種類や手段によって各自の練度が異なります。
例えば
- テキストによる情報伝達は得意だが、口頭による情報伝達は苦手
- 対面の関係構築は得意だが、オンラインの関係構築は苦手
など、各メンバーの練度は様々です。
自分が得意なコミュニケーション種類、手段について、万人が得意とは限りません。
相互の得手不得手を踏まえつつ、お互いに配慮しつつやりとりできる必要があるでしょう。
コミュニケーションも伸ばすことが可能なスキルの一つです。不得手についても相互にフィードバックしつつ、伸ばしていくスタンスも重要です。
まとめ
コミュニケーションの種類と手段についてまとめました。
コミュニケーションに関わる問題がある場合、
- どの種類のコミュニケーションにおける問題なのか?
- 現状のコミュニケーション手段は問題になっているコミュニケーション種類に適しているのか?
- 関係者のコミュニケーションの練度はどうか?
などの変数を踏まえつつ、必要に応じた対策をしていく必要があるでしょう。
例えば、「ジュニアメンバーが困ったときに人に頼ることができずに、業務上のミスや効率の低下につながっている」という問題があった場合、
- 困りごとに対応可能なマネージャーやシニアメンバーとの関係構築を強化し、気兼ねなくやりとりできるようにする
- マネージャー・シニアメンバーがジュニアメンバーをサポートできる時間や経路を確保する
- 例えば「困ったらすぐ相談できるSlackチャネル」を解説して、困っているメンバーがいたらできるだけ早く悩みに答えるルールにするなど
- マネージャー・シニアメンバーの情報伝達や成長支援に関わる伝達力に不足があれば強化する
- 例えば、以下のようなコミュニケーション特性があれば修正する
- 高圧的で相手を萎縮させる
- わからないことがある相手を馬鹿にしたような態度を取る
- 相手への支援をする際に、めんどくさそうな態度を取る
- 説明内容が曖昧でわかりにくい
- 例えば、以下のようなコミュニケーション特性があれば修正する
などの手順での対応が考えられるでしょう。
「コミュニケーションに問題がある」と一言にいっても、このぐらいの粒度で個別にバラバラな問題、対策がありえるでしょう。